井上 貴之
代表取締役
職業の特徴を並べるだけの志望動機になっていないか?何屋になりたいかより、どう生きたいのか聞かせてほしい
- 内定者5名の共通点はとにかく「素直である」ということ
- 内定者の5名は、本当に素直ないい子たち。僕自身選考や懇親会など、これまで既に5回以上顔を合わせていますが本当に素直なんですよ。あとは、楽して生きようという感覚ではなく一生懸命仕事をして良い人生を送りたいと思っているチャレンジ精神が旺盛な人が多いことも特徴ですね。僕自身、採用活動に関しても一切の駆け引きをしたくないと思っていて、ありのままのカーセブンを見てほしいと常々思っているんです。
例えば、うちは次々に新規事業が発足していきますから、その分どんどん新しい仕事も増えていく環境です。そんな環境を良しと思ってくれる人には最適な職場だと思いますが、この話を聞いて少しでもネガティブな印象を持つ人がいたら、もう絶対にやめた方がいい!と会社説明会でもお伝えしています(笑)その意味で、5名の内定者たちも僕に対して駆け引きすることなく、いつも素直な思いを打ち明けてくれていました。「◯◯という会社と悩んでいて...」とか、「絶対に◯◯の仕事がしたいんですけど...」とか。そんな彼らの、一見"それ普通言っちゃうか?!"というような素直すぎる振る舞いや感性も、僕は素晴らしいものだと感じています。 - 面接に決まったチェック項目は一切ない。学生さんの方こそ、厳しい目で会社をチェックすべき
- 僕が面接に入るとき、学生さんを評定するテンプレートみたいなものは一切ありません。必ず質問することとしては、「どういう社会人になりたいのか」ということだけです。以前の記事でも書きましたが、仕事は自分を成長させるための道具にしか過ぎませんから、何の仕事をしたいのか?ではなく、どんな生き方をしたいのか?を聞くようにしています。
学生さんからは「世の中に役立つ社会人になりたい」とか「社会に貢献できる人になりたい」というお話をよく聞きますから、貢献とはそもそも何なのか?という考えの擦り合わせをすることもよくありました。ある意味、普通に社会で生きてるだけでも実は社会に貢献できたりするものですから、その定義は難しいですよね。
また、今の時代、正しいことをやらないとお金を儲けることはできません。つまり、社員さんをいじめながら収益を出す、とかお客さんに嘘をつきながらお金儲けする、とか、そんなことは続かないんですよ。顧客満足度を向上させるためには、社員さんの満足度を高める必要があるんです。なので、面接というと会社が学生をチェックするイメージが強いかもしれませんが、学生さんの方も、社員さんがどういう満足度で働いてるのか?本当にこの会社はお客様を満足させられるメニューを提供しているのか?というところを逆にチェックして欲しいなと思っています。 - 新入社員には「その後の人生の責任を持つ」気持ちで正面から向き合う
- やはり、新卒採用というのは、その人の人生の責任を持つくらいの覚悟がなきゃできないものだと考えています。学生さんは大学を卒業して、本当に真っ白な状態で入社してきてくれるわけですが、実はこの新卒入社の会社での経験や考え方が一生、仕事のスタンスに影響すると思うんです。その意味で会社としても、新入社員に対して正面から向き合う必要があると思っています。そして、様々な研修などビジネス面でのフォローはもちろんですが、それ以上に僕は、いわゆる"ちゃんとした"考え方や人とのコミニケーション、社会との接点の在り方などを伝えていきたいと思ってるんです。健康的で幸せな人生を生きていくための、いろいろな「コツ」ってあると思うんですが、そんなことって大人になればなるほど意外と誰も教えてくれないんですよね。だから僕は、そうした「当たり前」を正しく伝えられる存在でありたいとは思っています。
- その業界の特徴を喋っているだけの志望動機では、その人のことは分からない
- 僕は、学生時代世の中の知らないことをなくしたいと思っていたので、専門職とかではなくマルチに色んなことに挑戦したいと思っていました。その上で、自分がのし上がれる仕事ってなんだろう?と考えたときに銀行や証券会社などが候補に上がったんですが、結果として銀行へ進むことにしました。銀行は、全ての仕事に関わることができると思ったからです。営業もできるし、人事も広告もできるし、海外へ行けるし(笑)僕の就職活動はそんな感じでした。
ですが、当時就活中だった周りの友人なんかに、例えば「なんで保険会社で働きたいの?」と聞くと保険会社の特徴を喋る人が多かったんですよね。「人生で困った時に〜」とか、「万が一のために〜」とか。僕は業界の特徴ではなく、そいつがどう生きていきたいのか知りたくて聞いた質問だったので、少し寂しく感じた記憶があります。僕の友人に限らず、就活で志望動機というとどうしてもその業界や職種の特徴にフォーカスしてしまう人が多いと思うんですが、僕はぜひその仕事に就いてどんな生き方をしたいのか?そこを聞かせてほしいと思っています。 - 下手くそでも拙くてもいいから、「自分のこと」を話してほしい
- お会いした学生さんの中には、「しゃべりが下手で面接の自信がない」という方も結構いました。僕は、しゃべりなんて下手なままでいい思っていますし、そもそも学生でプレゼンが上手い人なんていないと思ってますから、これから会う学生さんにもどうかうまく話そうとせず、ありのままの姿を見せて欲しいと思います。それより、「自分が何を考えてるのか知ること」が大切だと思っていて、それが就職活動の第一歩だと思うんです。僕は、自分がどんな人生を送りたいかということが先にあって、その上で仕事とか職種選びとかがあると認識しています。なので、自分がどんな社会人になりたいかをまず悩むことが一番先にすべきことだと思います。
今までの20数年の人生の中で、なんで自分はこういう選択をしてきたんだろう?とこれまでの自分を紐解いていくと、共通項が必ずあるはずです。そうすると、自分はこの部分は譲れないけど、この部分は妥協できる、みたいな自分という人間の特徴が分かってきます。自分がどんな人間か理解するということはすごく難しいんですが、就職活動くらいしかこのことを真剣に考える機会はそうないんですよね。ですから、学生さんには自分がどんな社会人になって、どんな人生を生きたいのかとことん考えてほしいですね。そして、それを面接などでたくさん聞かせて欲しいと思っています。
今年もたくさんの学生さんに会えることを楽しみにしています!